カヌレのつくりかた
カヌレは、フランスのボルドー地方発祥のお菓子です。
なんだか難しそう? でも意外に手順はシンプル。溶かして、混ぜて、寝かせて、焼くだけです。
一度焼いて味わうと、もうやみつきになる!かも。


カヌレ10個分の材料と道具

[括弧内のグレーの文字は、小さなオーブンの為の6個分の分量]
◆材料
牛乳500ml(300ml)
無塩バター20g(12g)
薄力粉110g(66g)
グラニュー糖210g(126g)
卵2個(60g、卵1強またはL卵)
ラム酒大さじ4(大さじ2強)
バニラオイル少々(気持ち少なめ程度で…)

型に塗るバター
(または蜜蝋)


◆道具類
カヌレ型10個/大きめのボウル/一回り小さなボウル/
大さじ1の計量スプーン/小鍋/粉ふるい/泡立て器/
こし器(茶こしでも可)


本場では、カヌレを焼く時に蜜蝋を使います。私のレシピでは家庭用に手軽に出来るようにバターを使いますが、本格的な焼き方がいい!という場合は蜜蝋を使ってみるのもいいかもしれません。
蜜蝋というとロウソクやワックスで使われるものですが、カヌレ用にはサラシ蜜蝋や精製蜜蝋などという名前で売られています。食品店や菓子材料店で手に入れることができます。


※蜜蝋を使う時には、型はテフロン以外のものを!滑り落ちてしまいやすいです。
画像をクリックすると大きいのが見られます!
1、最初の準備 薄力粉グラニュー糖を一緒にふるいにかけて大きめのボウルに入れておきます(あとでこのボウルに全部の材料が入ります)。
バターは小さめに切っておきます。柔らかくしておく必要はありません。牛乳は小鍋にうつしておきます。
2、牛乳とバターを温める 小鍋の牛乳にバターを入れて、中火にかけて、混ぜながらバターが溶けるまで温めます。
最初はこんな感じでバターが固まりのまま浮いてますが、だんだん溶けてきます。
バターが全部溶けたら、よくかき混ぜて溶け残りがないか確認して、火を止めます。この時、うっかり沸騰させないように注意してくださいね。
この状態の時、温度は大体60度前後。特に温度をはかる必要はないですが、目安にしてくださいね。

このまま少し置き、ぬるめの温度まで冷まします。
3、生地を作る 牛乳を冷ましている間に、を溶きほぐします。なめらかな生地を作るために、ていねいに溶きましょう。右の写真くらいでは、まだもう少し溶きほぐし方が足りません。
きれいな色になりました。このくらい均一になったら、溶きほぐし完了です。
2の牛乳がほんのり暖かいぐらいの温度になったら、準備しておいた薄力粉+グラニュー糖のボウルに注ぎ入れます。入れながら、泡立て器でゆっくり混ぜて、なじませます。
そこへ溶きほぐした卵と、ラム酒バニラオイル(2,3滴振り入れる程度)も加えて、混ぜます。これで全部の材料がボウルに入りました。
ボウルの生地を、こし器(ふるいや茶こしでも代用できます)を通してひとまわり小さなボウルに移します。溶ききらなかった白身などはこし器に残るので、なめらかで口当たりのいい生地になります。
できあがった生地は、ラップをかけて冷蔵庫に入れ、12〜24時間寝かせます。焼くのは翌日ですよ。楽しみに待ちましょう。

カヌレの生地は必ず寝かせます……どうしてでしょう?しかも12時間以上。
冷蔵庫で生地はゆっくりと目に見えない変化をします。その変化が、焼き上がりのツヤや食感を作り上げるのです。もし、寝かさずにこのまま焼いてみたら…? 型からふくれあがって飛び出した、落ち着きのないお行儀の悪いカヌレもどきさんに会えますよ!

もちろん、これは私の実体験なのです(笑)
4、カヌレを焼く いよいよ焼く準備です。冷蔵庫で寝かせた生地は、焼く前に室温に戻しておきましょう。とろみのある生地なので、焼く1時間前には出しておいた方がいいですね。

その間に、オーブンの予熱と型の準備をします。
オーブンは220〜230度に予熱しておきます。
カヌレ型には、バターを指で丁寧に塗っておきます。

蜜蝋を使う場合は、小鍋で蜜蝋を溶かし、あらかじめ少し温めておいたカヌレ型に流し入れ、すぐにろうを鍋に戻して型を網などの上にふせておきます。※冷えた型だと蜜が厚く付きすぎるので、必ず事前に温めましょう。
カヌレの型を天板の上にならべ、生地を流し入れます。
上までいっぱいに入れず、少し余裕を持たせるようにします。これは、焼く時に持ち上がった生地があふれることのないようにです。
予熱が終わっていることを確認したら、オーブンへ。
最初に高温で焼くのが大事なので、温度は確実に確認しましょう。

オーブンの温度は2段階で変えます。最初は220度〜230度で30〜35分。そのあと温度を190〜200度に下げて35〜40分です。


自分の家のオーブンの温度、はかってみたことありますか?実は家庭用オーブンの温度は、設置場所などの環境に左右されやすいのです。だから、たまに設定温度通りの温度が出ているか、オーブン用の庫内置き温度計などで確認してみてください。オーブンのクセを知って、レシピではこうだけど、うちのオーブンだとこれくらい…と調整できるようになったら、オーブンともっとうまく付き合えますよ。
焼き上がったカヌレはこんな風にツヤのある焦げ茶になります。
焼き時間が終わったら一つ取り出してみて(逆さにするとポコッと抜けます)、もし焼き色が浅かったら、もう一度型に戻して5〜10分焼いてみましょう。いい色になっていたら、焼き上がり!

網の上に出して、完全に冷めるまでしばし待ちましょう…アツアツにガブリもいいですけどね!(笑)
美味しいカヌレは、表面がカリッと香ばしく、中がふわっと柔らかいのです。こういう風に、切ってみて断面に気泡が入っていれば大成功!
カヌレをミルクやお茶と一緒にいただいて、楽しい時間を過ごしましょう!
上手に焼けるようになったら、きっとプレゼントにも喜ばれるし、なによりなんだか幸せになる気がしませんか?






型の大きさ、オーブンの種類によって、焼き時間や温度は変わってくるものです。事実、我が家でも電気オーブンで焼く時と、ガスオーブンで焼く時では違います。是非何度か焼いてみて、自分の温度・時間を見つけてくださいね。レシピは本来、お手伝い程度のもので、絶対ではないですから、そうやって書き加えて、ご自分のレシピにしていってください。

レシピ書いた人/ 猫亭 

感想は、ついったーの cat_house 宛につぶやいてね。